連載企画:『こえうた。』Track.02「寿美菜子」

無事、二回目を更新することができました、新連載企画『こえうた。』。システマチックに一週間に一枚更新を目指していきたいと思います。

今回は美菜ちゃんを特集しますが、改めて断っておきますと、何も曲の良し悪しだけで順位を決めているわけではありません。例えば全部が個人名義のシングル曲になりそうであれば、その中から一部を除外してキャラソンを挿入するといった操作も意図的に行っています。なるべくバランスが良くなるように選曲は行っているつもりですので、泣く泣くランク外にせざるを得なかった曲もあることを覚えておいてください。

そんなところも気にしつつ、読んでいただけると非常にありがたいです。まああくまでも個人的なランキングなので「ああ、この人はこの曲が好きなんだな」くらいの気持ちでお読みください。では、ランキングの発表です!





5位『Automatic analyzer/坂崎嘉穂(寿美菜子)』



TVアニメ『よくわかる現代魔法』キャラクターソング。作詞はこだまさおり、作曲・編曲は川田瑠夏。

いきなり変化球のような曲が5位にランクイン。変化球といえば『今宵ロマンティカリィ/徳川千(寿美菜子)』のスキャットもかなり特殊でしたが、そういった曲も見事に歌いこなしてしまう歌唱力の持ち主が寿美菜子です。

この曲を発売当時に聴いたときはそこまで好きではなかったんですが、最近聴き直して結構ハマりました。ピコピコ音がかわいらしい曲です。加工されているボイスも嫌な感じはしません。美菜ちゃんの美声が引き立っていると思いました。

しかし……原作を読んでいないからわからないのですが、このキャラは一体どんなキャラなんでしょうか。歌詞だけを見るとかなりの不思議ちゃんに思えるのですが。不思議ちゃん……大好物です(笑)。



4位『Dear My Keys ?鍵盤の魔法?/琴吹紬(寿美菜子)』



TVアニメ『けいおん!』キャラクターソング。作詞は大森祥子、作曲・編曲は小森茂生。

みなさんご存知、けいおんのムギちゃんのキャラソンです。細かい説明はいりませんよね。多分ほとんどの方が一度は耳にしたことのある曲だと思います。

ムギの曲ということで、全体的にキーボードが主体の曲となっています。学生時代軽音楽部でキーボードを弾いていた僕としては嬉しい限りです。ただ、僕はピアノを習っていなかったので、この曲の間奏にあるピアノソロはおそらく弾けません(笑)。

その点、美菜ちゃんはばっちりピアノが弾けますからね。苗字の読み方も一緒だし、まさに演じるべくして演じた役なのではないかと思います。またライブでピアノ(※1)を弾いてほしいですね。



3位『Startline/寿美菜子』



OVAアニメ『コイ☆セント』EDテーマ曲。作詞は田中琴乃、作曲・編曲は渡辺拓也。

ノリがいいのでライブで非常に盛り上がる曲ですね。途中の三拍子には少し驚きましたが、馴れるととても心地いいリズムです。いーまたしかにこ・い・を・して・い・るよ!\はい!/

今回は曲数の都合で除外させていただきましたが、C/Wの『metamorphose/寿美菜子』も負けず劣らず良曲です。僕って和テイストな曲が意外と好きでしてね。声優の曲ではないのであれですが『恋紅綬/otetsu feat.初音ミク』(※2)とか『an evening calm/fripSide』(※3)とかが同アーティストの曲の中で一番好きだったりします。琴っていいスパイスになりますよね。

ちなみにPVは作業着姿の美菜ちゃんが使い古した布や風船を用いて大きな翼を作るという(ガラクタアートというのかな?)一風変わった内容となっています。美菜ちゃんに「翼」といえばやっぱりあれしかないですよね? 僕も翼を授けられたいです(笑)。(※4)



2位『光の影/土橋りか(寿美菜子)』

(リンク先は動画サイトです)

TVアニメ『初恋限定。』キャラクターソング。作詞はmicco、作曲・編曲は菊池達也。

寿美菜子初のソロ曲にして、僕が初めて聴いた美菜ちゃんのソロ曲です。この曲を聴いて美菜ちゃんの歌唱力の高さを思い知らされたので、それだけに印象強い一曲となっています。

作詞・作曲はmarbleのお二人が担当されているのですが、曲としても非常に良曲です。美菜ちゃんが同アニメで演じている土橋りか(どばちゃん)とその相手である寺井春人(メガネくん)のゆっくりと一歩ずつ進んでいく恋を象徴するような落ち着いた曲調に、美菜ちゃんの深みのあるアルトボイスがよく溶け込んでいます。

せっかく綺麗なアルトボイスなのに、美菜ちゃんってほとんど少年役をやる機会がないのがもったいないですよね。『うみものらじお?あいしてる!?』でやったような少年声(※5)がもっと聞きたいです。とんじゃーもーやー!(特に意味はない)



1位『ライラック/寿美菜子』



1stシングル『Shiny+』カップリング曲。作詞は古屋真、作曲・編曲は渡辺未来。

この企画で美菜ちゃんを特集すると決める前から一位はこの曲だと確信していました。僕がこの曲を最初に聴いたのはNHKホールで行われた「?Sphere's rings live tour 2010?」の追加公演だったのですが、一番を聴いている途中で既に「これ名曲すぎるだろ!!」と興奮冷めやらぬ気持ちでこの曲を聴いていました。

とにかく重厚なストリングスと繊細なピアノの旋律が美しいです。僕は勝手にライラックの花言葉である「青春」を歌っているのだと解釈していますが、創り出される世界に見事に引き込まれてしまいます。曲自体はとても軽快に進んでいくのに、歌っているのは「孤独」という歌詞にも代弁されるように「別れ」の感情。しかし最後には「つながってる 今も」「広がってく ずっと」という詞が紡がれて終わる。別れを乗り越えて前向きな気持ちでいたいという思いがひしひしと伝わってきます。

ライラックといえば紫の花、そして紫といえば言うまでもなく美菜ちゃんのイメージカラーです。カップリングとはいえ、この素晴らしい曲がずっと歌われ続けていけばいいなと思っています。とりあえず次のソロライブが開催されることに期待しましょうか!





特に意味はないんですが、形式上の問題として、これをSOS団@東工大・声優研究会の個人的な活動としてやっていきたいと思っています。ある程度数が揃ったらまとめてみるのも面白いかもしれませんね。では!ノシ

次回、『こえうた。』Track.03「喜多村英梨(前編)」、お楽しみに!



(注)
※1……過去に「スフィア Colorful Concert」「スフィア Colorful Concert 追加公演」「寿美菜子のMusic Rainbow 01」で3回ピアノの生演奏を披露している。
※2……『【初音ミク】 恋紅綬 【オリジナル】』
※3……『an evening calm【歌詞付き】』
※4……(リンク先はWikipediaです)
※5……『うみものらじお ?あいしてる!? #13(2009.11.27)』冒頭のミニドラマ参照。
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連載企画:『こえうた。』Track.01「竹達彩奈」

長らく更新が滞っていたので、それを払拭する意味も込めての新連載企画です。僕が好きな声優さんの曲をランキング形式で紹介しながら、少しトリビア的な知識も織り交ぜていきたいと思っています。

一応、ランキングの対象となる曲は、声優界では有名な「例の企画」様に掲載されている曲全て(つまり全曲)となりますが、なるべく個人で歌っている曲やオリジナル曲(カバー曲でない)を上に持って行きたいと思います。もちろん例外はあるのでそれは見逃してください。

記念すべき第一回をあやちにしたのは、まあ曲数が少なくてやりやすいからです。では、早速ランキング発表へと移ります。どうぞ!





5位『恋する HONEY BEAT/住之江あこ(竹達彩奈)』



TVアニメ『kiss×sis』キャラクターソング。作詞はうらん、作曲・編曲は河合英嗣。

あやちの武器である「可愛らしさ」を前面に押し出したポップチューンです。これぞ「竹達彩奈のキャラソン」という印象ですね。

柔らかい歌声とシンセ音のふわふわ感に、力強いブラスの音がよく混ざり合っています。歌詞も弟に恋するあこの心情がよく表れて……いや、あこってもっと押しが強いのか? 原作は少ししか読んでいないのであんまり分からないのですが。

余談ですが、僕があやちを好きになったのは『けいおん!』ではなく「キスシスラジオの公開生放送」(※1)なんですよね。このラジオを聴いて「あ、この二人面白いわww」と感じ好きになりました。ラジオから声優に入るのが僕です。



4位『HELP!! -Hell side-/石動美緒(竹達彩奈)』



TVアニメ『えむえむっ!』OPテーマ。作詞はこだまさおり、作曲・編曲はcorin.。

正直そこまで歌が上手ではないと評価されていたあやちを初めて見直した(?)のがこの曲です。あやちは曲によってかなり当たり外れが激しいんですが、この曲は完全に当たりですね。

ラジオで約束して着せられたメイド服が赤ちゃんに見えたり(※2)、すきやき屋で小学生に間違われたり(※3)と(21)(ロリ)街道まっしぐらなあやちですが、この曲はなかなか艶やかな雰囲気でもって歌いこなせていると思います。

それにプラスして、ところどころで挿入される「オシオキよ!」とか「正座ッ!」などの台詞や、少し舌っ足らずな口調で歌われる英語詞からは“いつものあやち”が感じられるのも高評価です。やはりあやちは現代に舞い降りた天使のロリ声優ですね。あれ、かな恵ちゃんの立場危うし!?(笑)



3位『Little☆てぃんくる☆Star/ミリア(竹達彩奈)』



TVアニメ『ジュエルペット てぃんくる☆』挿入歌。作詞は森由里子、作曲は坂部剛、編曲は亀山耕一郎。

『ジュエルペット てぃんくる☆』といえばEDテーマの『空ニラクガキ』も非常に良曲なのですが、そちらは残念ながらソロ曲ではないので今回はランク外とさせていただきました(もし入っていたらもっと上だったかも……)。その代わりではないですが、こちらの曲がランクインとなりました。

よくここまで薄い音で頑張ったなという印象を受けました。歌や声の良さが生で伝わるのが利点であり欠点でもありますが、しっかり利点として作用していると思います。

やっぱり僕の中であやちの英語の発音はツボらしいです。「てぃんくる☆てぃんくる☆」や「wake up!×3」の部分が可愛すぎて身悶えしますね。え、キモイ? いつものことなので大丈夫です。



2位『ほらいずむ/高坂桐乃(竹達彩奈)』



TVアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』第3話EDテーマ。作詞・作曲はとーま、編曲はProject RAS。

こういう少しセンチメンタルな曲ってなかったんじゃないでしょうか。あやちのキャラソンといえば「明るい」や「萌え」とかいうイメージが強かったので、この曲を聴いたときはかなり驚きました。

そんなこともあり、最初はそこまで好きな曲ではなかったんですが、何度も聴いているうちに味が出てきて(いわゆる「スルメ曲」)、今では特に好きな曲のひとつになりました。あやちの直球な歌い方がより切なさを増していて好感触です。

歌い手が高坂桐乃の曲にもとれるし、竹達彩奈の曲にもとれるのが面白いですね。当初は批判も多かったですが、今では高坂桐乃=竹達彩奈という式が成り立っているのでよしとしましょう。早くアニメの続きが見たいです。



1位『コイノシルシ from Ayumi/高原歩美(竹達彩奈)』



TVアニメ『神のみぞ知るセカイ』EDテーマのキャラアレンジver。作詞は漆野淳哉、作曲は須田悦弘、編曲は渡辺拓也。

以前このブログでも紹介(※4)しましたが、これは本当に非の打ち所がないです。歌の上手さ、曲の仕上がり、どれを取っても僕の中では断トツで一位ですね。

かつて某大型掲示板の「男性声優の歌唱力を語り合うスレ」ではネタとして「奇跡の一曲」(※5)というものが取り上げられていましたが、それを女性声優にも適用するなら、まさにこれはその一つでしょう。あやち覚醒、そんな言葉がぴたりと当てはまります。

僕としてはこれを超える曲が現れてくれることを願うばかりです。この曲を「奇跡の一曲」と言わせないくらいの良曲を期待しています!





ふう、久々にがっつり文章を書いたので疲れました。最初は3曲だったのに途中で5曲に増やしたせいもあり、かなり時間がかかってしまいました。まあでも、たまにはこうやって長文を書かないと文章力もタイピング力も劣りますから、いい機会になりました。これからもなるべく定期的な更新を心がけていきます。では!ノシ

次回、『こえうた。』Track.02「寿美菜子」、お楽しみに!



(注)
※1……『竹達彩奈と巽悠衣子のキスシス公開生放送(2009.06.20)』
※2……『宇宙GメンEX』2009年7月23日放送時にラジオ内で口頭約束。その後、一日限定でメイド服姿をブログにうp。もう消されてるけど見たい人は「竹達彩奈 メイド服」でググれば出てくる。
※3……竹達彩奈オフィシャルブログ「Strawberry Candy」2011年3月10日『すきやき』
※4……「所詮、人間は愚かで憐れな存在でしかないんだ。」2010年12月18日『take a shot -キミがいる風景-』
※5……「男性声優歌唱力スレまとめ@Wiki テンプレ」

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Venus Versus Valkyrias -戦場に咲いた一輪の花-

どうも、本気でイベントにシークレットブーツを履いて行こうかどうか迷っている綺羅矢的です。どこで売ってるのか知らないけど。


さて、最近Twitterでよく呟いていますが、数日前に『武装神姫 BATTLE MASTERS』というゲームを買いまして、ただ今絶賛プレイ中であります。

僕が武装神姫を知ったのは例によってネトラジ『武装神姫 RADIO RONDO』なんですが、ラジオだけ聴いていてラジオCDも持ってるのに実物には手を出していなかったので、今回思い切って買ってみました。

とりあえずストーリー的にはF2クラスのFバトルで16位といったところです。武装ランク3のダブルブレードを手にいれたので、若干それ無双になりつつあります。ゴリ押し上等!

まあゴリ押しが効く&やればやるほど有利になるシステムなので、格ゲーが苦手な僕にとってはありがたいんですが、ハンディキャップマッチだけは無理ゲーです。あんなの勝てるわけないだろ。やっぱり武装強化→ゴリ押ししかないですかね。ちょっと後でもう一回挑戦してみます。


ちなみにマイ神姫たちはこんな感じ。型名「名前」LOVEの表記です。金が余ってたので買っただけってやつもいます。

アーンヴァルMk2型「スピカ」12
フブキ型「クノン」4
アルトアイネス型「ケーナ」11
アルトレーネ型「フィーナ」1
アーク型「ルージュ」1
イーダ型「ヴィア」1

アーンヴァルとアルトアイネスが主力ですね。一体を育てたほうが効率はいいんですが、アルトアイネス型がなかなかツボだったので浮気した所存です。いや、一番はアーンヴァルだけどね。なんたってあすみんだし!(え


あ、そうそう。リアパーツに「ニーベルング」っていうパーツがあるんですが、それを身に付けたアーンヴァルの姿がですね……。


20110319174351.jpg


何というフリー○ムwwww色合いといい形状といい、絶対に意識して作ったとしか思えないwwww

他にもキャラクターとかで際どいネタがたくさん仕込まれてるし、制作スタッフさすがと言わざるを得ません。遊びごころって大事だよね。訴えられない程度にw


バイトが23日までお休みになってしまったので、あと三日ほど自由な時間があります。23日以降は働き詰めだと思うので、今のうちにやりたいことはやっておきたいですね。こんな状況ですが、皆さんも出来ること・やりたいことを各自やっていきましょう。では!ノシ










僕の身長は大体1.05hydeです。

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Infinite Stratos SS Charlotte route『男同士?の撮影会<ボーイ×レイディ>』

※原作5巻までのネタバレを含みます。お読みの際はご注意ください。




















「二人とも、その格好すごく似合うわ!」
黒いスーツに身を包んだ20代後半と思わしき女性が、目を煌々と輝かせて僕と一夏の姿を凝視している。
「はあ、そうですか……」
「あ、ありがとうございます……」
その異様なほどの熱意に、一夏は気のない生返事を返す。僕も勢いに気圧された感じで、社交辞令のようなお礼を口にするしかできなかった。
「やっぱり私の目に狂いはなかったわね……。私グッジョブ!」
こそこそと親指を立ててほくそ笑んでいる様子はちょっとというかかなり怖い。思わず隣に立っている一夏の手をぎゅっと握りしめる。それに気がついた一夏が手を握り返してくれたことが嬉しかった。
「さて、じゃあ二人には早速“撮影”に入ってもらうわね。愛華、後はよろしく」
そう言い残し、女性はハイヒールをコツコツと鳴らしながら、鉄製の重い扉の向こうへと消えていった。その姿をしばし呆然と見つめていた僕と一夏は、ふと響いた明るく快活な声で意識を取り戻した。
「よーし、じゃあ始めようか。まずこれ持ってポーズお願い」
まだ若い女のカメラマンさん――藤宮愛華(ふじみや・あいか)さんというらしい――が僕に木で出来た薄いボードを手渡してくる。ボードは花飾りで可愛らしく装飾され、その真ん中には女の子特有の丸文字でこう描かれていた。

“お客様、@クルーズへようこそ”


Infinite Stratos SS Charlotte route『男同士?の撮影会<ボーイ×レイディ>』


事のはじまりは、学園祭で僕のクラスがコスプレ喫茶をやると決まったことだった。まさかラウラが「メイド喫茶はどうだ」なんてすまし顔で言い出すとは思わなかったけれど、僕には何となくその理由が思い浮かんでいた。
僕とラウラは夏休み中に一度駅前へ買い物に行ったことがある。ラウラの私服をコーディネートしたり、ネコミミの可愛らしいお揃いのパジャマを買ったりして楽しい時間を過ごしたんだけれど、その時にとある女性と知り合ったのだ。
女性はメイド喫茶「@クルーズ」の店長で、何やら従業員に駆け落ちで辞められたという不運に見舞われていた。そこで目を付けられた僕たちがメイドとして働くことになったんだけど……まあそこで一悶着あったのは別の話。
とにかく、そのことがあって女性と顔見知りになった僕とラウラは、学園祭でやるコスプレ喫茶の衣装をその店長さんに貸してもらえるよう頼むこととなった。
うん、確かに衣装は貸してもらえることになった。なったんだけど……その代わりに“ある条件”を課されてしまった。そして、その条件とは……。

「シャルが男装して俺と写真撮影ぃ?」
食堂でヒレカツ定食を食べていた一夏が大きく素頓狂な声を上げた。予想してたけど、もう少しボリュームを押さえてくれたら嬉しかった。
というか、一夏って朝からよくそんな重いもの食べられるよね……。本人曰く「朝に一番食べる方が体の稼働効率がいい」だとか。否定はしないけど……ちょっと僕には真似できないかも。
「ちょっ……一夏、声大きいって」
案の定、一夏の声に周囲の女子たちが振り返り、僕たちを視線に捉えた。幸いにして内容まで聞き取れた者はいなかったらしく、僕を「また織斑くんと一緒にご飯食べてるわよ……ずるい」という視線で撃ち抜いただけで、再び自らの食事へと戻っていった。
「わりぃわりぃ。で、何だって? いまいち意味が把握できなかったんだが」
一夏も朝から大勢の女子に囲まれるのは勘弁、といった顔で声を潜め、ひそひそ話で話しかけてくる。まあ、意味がわからないのも当然だよね。だって僕もよくわかってないもん。
「その……この前の学園祭でクラスのみんながメイド服着てたでしょ? それを貸してくれたお店の店長さんが言ってたんだ」

『あの“噂の男性IS操縦者”とデュノア君の二人に、お店のPR写真を撮らせてほしいの。ほら、今の時代女性優位じゃない? だから男性スタッフに質のいいのを揃えないといけないんだけど、なかなか見つからなくてねー』

そこで“噂の男性IS操縦者”こと一夏に白羽の矢が立ったらしい。何やら学園外でもかなり「イケメン」だと評判なようだ。……面白くはないけど、今は考えないようにする。それよりも問題は――
「俺とシャルが写真を撮ることはまだ納得するとしても……何で男装?」
「そう、そこなんだよ!!」
一夏の言葉についバァン! と、力任せにテーブルを叩いてしまった。ガラス製の容器がトレーの上でガタガタと音を立てたあと、周囲には静寂が訪れる。テーブルを叩いた反動で立ち上がっている僕に、今度は食堂中の視線が集中した。
「あは、あははは……」
その獲物を狙うような鋭い目に萎縮して静かに着席する。やっちゃった、やっちゃったよ……。絶対変な子だと思われてるよ、うう……。
「え、えっと、とりあえず出るか。もう食い終わってるだろ?」
「あ、う、うん、そうだね!」
居心地の悪さを肌にちくちくと感じた僕と一夏は、周囲の注目から逃げるように食堂を後にした。セシリアやラウラに見られてないといいなぁ……と思いつつ。


「はーい、OK! じゃあ次の撮影の準備するからそれまで休憩ね」
愛華さんが自慢のカメラを下ろすのに合わせて、僕と一夏も胸元あたりに掲げていたボードを下ろした。そして張り詰めていた緊張をふっと解くと、自然と口から息が漏れた。
「はあ……。写真撮影って疲れるんだな……」
「まだ始まったばっかりだよ? まあ、気持ちはわかるけどね」
一夏は疲労困憊といった感じで肩を回している。僕も一夏ほどではないけど、ずっと同じポーズを取り続けていたから体が重かった。
「で、でも、悪いことばっかりじゃないよ? その、一夏と一緒だし……」
それに一夏の執事服姿は、学園祭で一度見ているとはいえ、何度見ても格好いい。上から下までビシッと決まった服装とそれを見事に着こなすルックスには、僕だけでなくその場にいる女性スタッフも心を奪われているようだ。あんまり面白くないけど。
「ん? まあ一人じゃ恥ずかしいよなー。俺もシャルがいてよかったよ」
「……うん、そうだね」
相変わらず的外れな返答をする一夏に、さっきよりも数段大きな息が口から漏れる。一夏の唐変木には慣れてきたけれど、一体いつになったら自分の気持ちが伝わるのだろうか。一夏は誰にでもこうだからまだ安心だけど、そのうち誰かに傾くことがあるんじゃないかと思うとやきもきする。
「? どうして怒ってるんだ?」
「……何でもない」
「???」
一夏は僕の気持ちを知らず、頭の上に?マークをたくさん浮かべている。そんな一夏に、僕は気持ちを切り替えて、撮影スタジオの隅にあるテーブルの上に置かれていた缶ジュースを手渡した。
「はい、一夏」
「お、サンキュー、シャル」
プルタブに手をかけて持ち上げると、缶がプシュッと小気味いい音を立てて開く。中に入っているオレンジジュースが一夏の喉を通って吸収されていく。
「ふう、生き返ったぜ。そういやシャル、その服似合ってるな」
「男装が似合ってるって言われても嬉しくないよ……」
一夏と同じ執事服を、女の僕が着ている。しかも二回目とか、これは年ごろの女の子の純情を弄んでいるとしか思えないんだよね。まあ頼まれたから仕方ないんだけどさ……。
「どうせならメイド服が着たかったなぁ……」
頭の中に学園祭で着たメイド服を思い浮かべる。ふわふわっとした可愛らしいデザインのエプロンドレスとホワイトブリム、まるで本当のメイドさんになったみたいで夢のような時間だった。
「ああ、あのメイド服似合ってたな。可愛かったぞ」
「か、可愛いっ!?」
い、一夏に可愛いって言われた! 一夏のことだから深い意味はないんだろうけど、それでも嬉しい。どうしよう、顔が熱くなってきた……。
赤く染まっているであろう顔を一夏に見られないよう背を向ける。絶対不審に思っただろうけど、その時ちょうど撮影の準備が出来たらしく、一夏に気付かれることなく僕はセットの方へと歩いて行った。


「よーし、次も張り切っていこう!」
スタッフとの打ち合わせを終えた愛華さんが、さらに高いテンションで僕達に話しかけてくる。この人、僕たちと年はそれほど変わらないみたいだけど、既にプロのカメラマンとして活躍中らしい。僕もフランス代表候補生として頑張らないと。
「じゃあ、とりあえずこのマンガみたいな構図でお願いできる?」
「え、マンガ……?」
愛華さんの言葉の意味がいまいち理解できないまま、僕と一夏は目の前に広げられた一冊の本へと目を移す。そこに描かれていたのは――一人の男性がもう一人の男性を押し倒しているシーンだった。
「な、な、なぁっ……!?」
さっき一夏に可愛いと言われたときとは比べものにならないほど顔が熱くなっている。な、何これ!? なんで男の人同士でこ、こんな、その、あれなことを……!?
隣を見ると、一夏も口を大きく開けたまま固まっていた。そ、そりゃあんな衝撃的なモノ見せられたら誰だって驚くよね?
「あれ、お子様にはちょっと刺激が強かったかしら?」
愛華さんが僕と一夏の反応を見てニヤニヤといやらしい笑みを浮かべている。この人絶対にわざとやってるよ……。見かけによらず性格悪いかもしれない。
「はいはい、固まってないで撮るよー? まず一夏くんがその赤い印のところで仰向けになってね」
「は、はい」
ショックから立ち直った一夏が愛華さんの指示通りに仰向けになる。ポーズは先ほどのマンガにあったように、腕を頭の横で折り曲げて首だけ横を向くというものだった。な、なんかどう考えても一夏に似合わないポーズなんだけど……。
「くすくすっ……」
「お、おいシャル、笑うなよ! これ恥ずかしいんだぞ……」
「ご、ごめんごめん。つい面白くて」
一夏の困った顔はどこか可愛らしくていつ見ても飽きない……って、僕も愛華さんと似たようなこと考えてるなぁ。ふふ、でも本当に可愛い……。
「なーに笑ってるの、シャルロットちゃん? 次はあなたの番よ。ほら、早く一夏くんの上に覆い被さって」
「え? ………………えええええええっ!?!?」
愛華さんの言葉を数秒頭の中で反芻したあと、それがマンガの光景と合致する。そうだ、一夏が「下」ってことは、僕が当然「上」になるわけで……。
「ちょ、ちょっと待ってください! こういうのって普通男の人が上じゃないんですか? あ、いや、マンガだとどっちも男なんですけど……」
自分でも何を言ってるのかよく分からなくなってきたけど、とにかく必死で愛華さんを説得しようとする。だって、写真とはいえ一夏を押し倒すなんてそんな……いや、押し倒されるのも、その、は、恥ずかしいけど……。
そんな僕の乙女心と常識(?)を一蹴するかのように、愛華さんは不敵な笑みを浮かべ言い放った。
「世の中にはね、“下克上”という需要もあるのよ!」
スタジオの空気が一瞬、凍った気がした。


「一夏くん、もっと切なそうな表情して!」
「どんな表情ですか!?」
「い、一夏、早くしてくれないと腕の力が……」
「ほらほらー、早くしないと本当に押し倒されちゃうよ?」
「お、おい、シャル、もう少し堪えてくれ!」
「そ、そんなこと言ったって、もう限界だよ……!」
「あらあら、どうせならこのまま待った方がいい写真が撮れるかもしれないわね」
「冗談じゃないですよ! って、シャル、近い、近いって!」
「ごめん、一夏……」
「ちょっ……うわああああああああああ!?」
カシャっと、スタジオにシャッターを切る音が響いた。


「はあ、今日は酷い目にあったよ……」
「全くだ……」
オレンジ色の鮮やかな夕焼けに照らされた歩道を歩きながら、僕と一夏は今日の出来事を遠い昔起こったことのように思い返していた。
結局、あれからも無理難題を次々と押し付けられ、僕たちの精神はじわじわと磨耗されていった。例えば……って、そ、そんなこと恥ずかしくて言えないよ!
あえて挙げるなら……その、ポッキーゲーム、とか……。も、もちろんキスはしてないからね!? いや、ぼ、僕は別に構わないんだけど……! あ、えっと、うう……。
「藤宮さんってあんなにテンション高い人なのな」
「うん、僕もびっくりした。でも、写真を撮るときの表情は真剣だったよね」
構図を考えているときは(多分僕たちをリラックスさせるつもりなんだろうけど)おちゃらけた態度で接してきて、でもひとたびカメラを握ると、その雰囲気が一瞬にして引き締まる。カメラと向き合う表情はまさにプロのもので、僕たちも見習うべきものがあった。
「でも、ごめんね? 僕とあんなことさせられて、いやだったでしょ?」
一夏の心中を推し量って言葉を紡ぐ。だって、好きでもない女の子――しかも男装した――とあんなに密着するなんて、誰だって嫌だよね。そう思って一夏に謝ったつもりだったのに、一夏は僕が全く予想しなかった答えを返してきた。
「え、いや、別に嫌ではないけど……なんというか、恥ずかしいだろ? 男装しててもシャルはシャルなんだし」
「えっ……?」
一夏の言葉に僕は目を丸くする。それってつまり、男装した僕を「女の子」として意識してくれてた、ってことだよね?
うわあ、すごく嬉しい。疲れ切った心に潤いが戻ってくる感じがした。気持ちが弾む。このままISなしで空に飛び立てそうな心地だった。
「ふふっ、そっか、嫌じゃなかったんだー」
「どうした? なんだか嬉しそうだけど」
「えへへ、内緒♪」
「……? 変なやつだなぁ」
一夏が不思議そうに首を傾げている。その姿を視界の端に入れながら、僕はオレンジ色に染まる空を見上げる。

あの写真撮影のとき、一夏が何を思っていたのかはわからない。でも、僕にとっては「嫌じゃなかった」だけですっごく嬉しいんだ。
本当はもっと一夏に好意を寄せてほしい。でも、一夏はこのとおり鈍感だから、僕が頑張って振り向かせるしかない。
一夏を巡るライバルはたくさんいる。箒、セシリア、鈴、ラウラ……他にもいっぱい。みんな僕よりずっと女の子っぽいから、正直かなり手ごわい。でも、僕はやっぱり負けたくないな。だって、僕は――。



一夏のことが、大好きだから。



fin.





【あとがき】

はい、ついに始まりました「インフィニット・ストラトス SSシリーズ(仮)」。第一弾は僕が一番好きなシャルで書いてみました。
なにぶん(いつものことですが)無推敲クオリティなので、文章力とかは勘弁して下さい。ほら、僕のSSは想像力を鍛えるトレーニングツールなんですよ、はい。
このシリーズは全6作(メインキャラ5人×1作+共通ルート1作)で構成される予定です。各作品の繋がりは全くない予定ですが、原作の話と関連付けるため、ネタバレは続出すると思います。お読みの際はご注意ください。
で、僕がこれを書く際に一番悩んだのが「オリジナル主人公」を立てるかどうかです。けいおんと違って男主人公がいるからわざわざ立てる必要はないんですが……ほら、一夏ってあれじゃないですか。あんまりいい主人公じゃな(ry
でもせっかく主人公がいるんだし、キャラ設定するのも面倒なので、とりあえずこのシリーズは全て一夏を主人公としてやっていきます。どうぞご了承ください。
あ、ちなみに藤宮愛華は僕のオリジナルキャラクターです。今後登場するかどうかは……微妙ですねww
では、とりあえず今回のところはこれで。次は誰を書こうかな……。一応全員分のプロットは立ててあるので、箒以外なら書けます。箒はちょっと理由があって最後に書きたいかなと思っているので。リクエストがあればお申し付けください。ではノシ

テーマ : IS<インフィニット・ストラトス>
ジャンル : アニメ・コミック

Yell for us -音楽の力-

どうも、綺羅です。かなりお久しぶりの日記を、まさかこんな状況下で書くことになるとは思いませんでした。

まだまだ余談を許さない状況が続きますが、とりあえず放射能漏れがそこまで深刻ではないと聞いて一安心しています。しかし、一万人の行方不明者、被爆者、そして地震による原発への影響と、間違いなく21世紀史上最悪の危機が続いています。

こんなタイミングでブログ更新は果たして適切なのかどうかわかりませんが、こういう今だからこそ、世に溢れる「音楽」の力に頼ってもいいのではないでしょうか。そんな思いを込めて、このブログを書いています。

聴きたくない人は聴かないでください。もし聴いてくださる方がいらっしゃり、その方の気持ちを少しでも動かすことが出来たなら、それは至極光栄なことと存じます。また、ここで紹介する楽曲は、この世に存在する曲のほんの一握りです。皆さんも、自分が元気になれる曲を探して聴いてみてください。きっと、心があったかくなるはずですから。





瞬く星のように どこまでも どこまでも空を駆ける
新しいステージへ どこまでも どこまでもキミと二人
ハイスピードで流れる世界 胸のリズムは全開!
何も怖いものなんかない そんな日々を夢に見てるの

『Rhythm-MAX / Riryka』





Ready?
てとて繋いでTry on Try 心に触れるHeart to Heart
太陽味方につけて
いつでも君とTry on Try 二人で掴むHand to Hand
世界中に届け!! 今日を追い越す 速さで

『Try on! / NANA』



http://www.youtube.com/watch?v=ScxP7y0YdQs&feature=related

絶対先に未来があるはずなんだ
新しい空 見えてくるから(Let's try and try!)
成層圏で生まれた夢の架け橋
どこまでものびて行け

『dear-dear DREAM / マイサンシャイン(高垣彩陽) meets スフィア』





光になりたい
悲しみを照らす一条の
夜明け前に 消えてしまうけど
目覚めの瞳に
雨上がりの花よ咲け
遠い虹の色を宿す new day...

『雨上がりの花よ咲け / 茅原実里』





レスキューファイアー いつでも 君のそばに居るよ
暮れかかるあの空を 未来へ つなぐために
レスキューファイアー 君が望むなら
どこへだって 駆けつけるぜ
燃える勇気のレスキューファイアー 急げ GO!

『レスキューファイアー / JAM Project』



http://www.youtube.com/watch?v=WnXftLqOa2A

ロマンシングストーリー とぎれたフィルムが今
ロマンシングストーリー 静かに回り出す
ロマンシングストーリー それが少しの勇気でも
想い続けたなら願いは叶う

『ロマンシングストーリー / 彩音』



http://www.tudou.com/programs/view/dfO9Y-Q_VOQ/

与えられた希望だけでは 満足出来なくなってるなら
恐がる必要なんてどこにもないさ
どこから来てどこへ行くのか 不確定だから惹かれるのか
Please promise me I trust you
美しき青春の主役たちへ Yell for you

『Yell for you / angela』

テーマ : アニソン・キャラソン
ジャンル : 音楽

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